抽象画っ!時々、模写。

絵画制作、のんびりと。

心的外傷とアート。ptgと創造性。

こんばんは。2023年ももうすぐ終わり。なんというか、絵を描き始めて1年と3ヶ月程の僕ですが、こんなにもあれよあれよと、イタリア、スペイン展示 ロンドン アテネ展示 香港展示 大阪展示 と展示のお誘いを頂くとは思いませんでした。地元でも個展を開催しようかなと、思ったり思わなかったり。これも日頃から支えてくださる皆様のお力あってこそ成せる技です。さて…今日考えてみるのは心的外傷とアート。PTGと創造性についてです。アーティストと聞くと皆さんはどう感じるでしょうか。個性的 変人 ひたすら引きこもって作品を作っている…。色んなイメージを持たれるかと思いますが、心に傷を負う様な辛い経験をすると、芸術性や、創造性が花開く様に感じてまして。生きていると、色々な事がありますが、僕の生い立ちの中で、そんな経験をした後に、ふと頭の中にイメージが浮かんだり、思いを形にしたいと考える事が増えたと思います。何処に行ってもいじめのターゲットになり、変人!変人!と言われた幼少期を思うと、生まれつき、そんな人と違う部分を持ち、それが悪目立ちしてターゲットにされていたのかなと、今となっては思います。当時は僕は人よりも劣っていると思い込んでいましたが。そんな辛い経験がまたさらに創造性を耕してくれたかもしれません。

心の傷を専門的な言葉では、心的外傷と言ったりします。心的外傷と聞くと、心的外傷後ストレス障害 PTSD が有名かもしれません。その歴史は古く、戦争から帰って来た兵士が別人の様になり、上手く社会生活に馴染めず、様々な精神的な症状に苦しみ、ホームレスになったり、アルコール依存性になったり、困った人と見られ、社会から迫害され、森の中で暮らす様になったりと、心の傷に苦しむ精神疾患の一つです。その昔は戦争神経症などとも呼ばれていました。さてこのPTSDですが、現代においても発症する事があり、パワハラモラハラ、いじめなどで、社会に適応出来なくなる事は、これに近いものがあるのではないでしょうか。

僕自身もいじめられた過去があり、PTSDと診断され、長い間、社会と歯車が合わなくなり、苦しい青春を過ごしました。元気に学校に行ける10代とは無縁の生活だったと思います。しかしこのPTSDを乗り越えた先に、PTGというものがあります。PTG…ポストトラウマティックグロース 心的外傷後成長です。辛い経験の後、より違う視点で社会を見られる様になったり、芸術的な側面、創造性が上がったり、より精神的に強くなったり、共感性が上がったり、と、苦しみを乗り越えた先にある成長がこのPTG。ナチスドイツから迫害を受け、家族を失ったり、命の危険を感じたユダヤの人々がアートに目覚めたりといった話は聞いた事があるかもしれません。今、僕の心にはこれが起きていると思います。いじめられ、社会に出られなくなった時間が、僕の抽象画を生み出したと言っても過言ではないです。大きなストレスを芸術の分野で昇華する事で、辻褄を合わせようと、頑張っていたと思います。負けてたまるか。その思いから、ひたすらに描き続けました。そしてその絵が1年と経たずに、海外に認められ、僕の人生に大きな希望の光をもたらしました。いじめられたお陰で今の栄光を手に出来たと言っても良いです。「いじめてくれてありがとう。僕は君たちのお陰で、素晴らしい成功へのチケットを手に出来たよ」こんな事を言われたいじめっ子達はどんな顔をするでしょうか。

辛い経験を乗り越えたり、傷ついた心を癒したり、アートには無限の可能性があります。それと同時に人間の心が持つ可塑性や、柔軟性というものはまだまだ未知の分野が沢山あり、不思議だなとも思います。PTGと創造性。辛い経験はしないに越した事はないし、否定も肯定もしません。しかし辛い経験をしたからこその、その先の光もより強く、輝きを増すのも事実です。僕はこれからも絵を描き続け、光を作っていきたいと思います。